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『本格焼酎・泡盛ガイド2012-13年版』の編集作業が順調に進んでいます。ようやくいも焼酎、麦焼酎、米焼酎、黒糖焼酎のテイスティングが終わり、あと残るのは泡盛とその他の焼酎のみになりました。
前回の「編集長日記」でも触れましたが、鹿児島県のいも焼酎のドライ化が進んでいます。赤いもを使ったいも焼酎が増えましたが、赤いもの原料特性を強調するのではなく、自蔵の酒質の特徴を守りながら、赤いもの特性を生かしたものがあり、好感をもてました。ロックや水割りを意識した酒質や赤いも系の増加もまた、都会向けを意識したドライさを求めた結果かもしれません。 また、高知県で新しく立ち上げた蔵のいも焼酎を飲んで驚きました。白麹、黒麹、白麹・黒麹ブレンドと3種類のいも焼酎は、それぞれ麹菌の違いがきちんとわかる仕上がりで、いもの香りも甘みもよく感じられました。また、福岡県や広島県で造られたいも焼酎も仕上がりがきれいなだけでなく、飲みあきのしない味わいで、ゆるゆると飲む晩酌酒にむいているように感じました。 かつては一般的であった甘みの強いいも焼酎が少なくなり、きれいな甘みを持ったいも焼酎が増えています。それだけ酒質の均質化が進んでいるのかも知れません。 一方、麦焼酎を見ますと、個性の幅が広がっているように感じられました。全体的に減圧蒸留酒が減少して、常圧蒸留酒が増えていると思われます。裸麦を使う製造場も多いようですが、麦チョコのような香ばしい香りに頼るのではなく、麦本来の味わいを出しているところが多かったように思われます。麦麹、米麹それぞれの味わいが出ていました。減圧蒸留・イオン交換濾過が一般的であった大分県の麦焼酎にとくにその傾向が見られました。これもまた、大きな変化といえます。 また、樽貯蔵の麦焼酎があいかわらず多く見られました。宮崎県のある製造場の樽貯蔵麦焼酎を飲んでみて、いわゆる樽香(バニラ香)に頼らず、麦焼酎らしさを残しながらも樽貯蔵の特性を上手にまとめているのに感心しました。色と樽香、バニラの甘さに依存しない焼酎蔵らしい個性を持った樽貯蔵酒にこれからの可能性の一片を見たように思いました。 米焼酎では、米麹の強さを感じるものがある一方、清酒のような吟醸香を前面に出したものもありました。 まだまだ試飲は続きます。また機会をあらためて書きたいと思います。 #
by shochu-rakuen
| 2012-06-13 17:59
| 焼酎・泡盛の現状
『本格焼酎・泡盛ガイド2012-13年版』の7月発売にむけて、編集部では蔵から送ってもらった新商品のテイスティングの毎日です。まだ全体の1/5程度しか済んでいませんが、ちょっと気になることがあります。
いも焼酎のドライ化ともいうべき傾向が目立つことです。最初に立ち上がる香りは、さつまいもの甘い香りよりも米麹由来の穀物香が強く、吟醸香を感じます。一瞬、米焼酎かと思うこともありました。しばらくすると、いもの甘い香りがあらわれてきます。 口に含むと、いもの甘さよりも米麹の甘さを最初に感じます。時間の経過とともに、さつまいも由来の甘さも出てきますが、最初の印象が従来のいも焼酎の印象とは異なっているように感じられます。 テイスティングした全部のいも焼酎がそうだとはいえませんが、全体的にキレがよく、お湯割りよりもロックのほうが合うように感じました。もちろん、いも焼酎らしいいも焼酎もありますが、前回(2010年)よりもドライな仕上がりのものが多いという印象を受けました。 また、紫いもや紅いもを原料に使ったいも焼酎も増えています。従来のいも焼酎にはなかった酸味が、冷やして飲むのに適しているのかもしれません。 都会の消費者を意識した結果、ロックに合うような酒質設計になっているように思われます。確かにシャープなキレ味は都会向きかもしれませんが、いも焼酎がもっていた癒しの要素が減少しているともいえます。 テイスティングをした範囲では、このドライ化傾向は鹿児島県に多く見られ、宮崎県ではほとんど見られません。ブームの終焉後、製造場ではさまざまな努力を行なっきましたが、このドライ化もその試行錯誤の結果かもしれません。これからもいろいろな研究が進められると思いますが、そのなかから消費者をひきつけるいも焼酎が登場することを期待しています。 #
by shochu-rakuen
| 2012-05-31 11:44
| 焼酎・泡盛の現状
2年ぶりに開催された「第14回本格焼酎ルネッサンスin東京」へ行ってきました。ブームの最盛期には参加者は400人を超えたそうですが、ブームの一段落と1年のブランクの影響か、240人ほどの参加者でした。参加者が減少した分、ゆったりと回れました。酔う参加者は見当たらず、蔵元とまじめに話している人が目立ちました。焼酎ブームが終焉し、景気も悪い中、これだけの人が集まり、きちんと勉強しようとしている様子を見ると、本格焼酎・泡盛が定着したことを実感。参加した造り手たちも「これだけきちんと話ができた会は初めて」と語っていました。
200人以上の飲食店や愛飲者が集まったことは大きなことです。一時の流行としてではなく、本格焼酎・泡盛を理解する人がいることの表れといえます。その層を基盤として次の飛躍が可能になります。造り手や売り手(酒販店や飲食店)の世代交代が進んでいる現在、消費者が納得できるお酒を提案すれば、若い感覚やエネルギーで本格焼酎・泡盛の愛飲者層を拡大していけると思います。 ほぼ同じ時期に、第3回焼酎楽園セミナーを東京で開催しました。テーマは「海外輸出」です。セミナーには沖縄から関東までの造り手が集まりました。清酒の海外輸出の増大を見て、本格焼酎・泡盛もという思いを持つ人たちも出てきています。しかし、海外輸出はそれほど甘いものではありません。そこで、海外輸出の現状を理解するために、日本酒輸出協会の松崎晴雄さんから「日本酒輸出の歴史と現状、これからの課題」を報告してもらい、海外輸出にかかわる蔵元からは「輸出の経験から見えてきたもの」を報告してもらいました。 さまざまな意見が出されましたが、「日本酒に続け」という浮ついた意見よりも、「何十年後を見越して今、何をすべきか」に触れる意見が多かったので、私も安心しました。「ソジュ表記」についても関心が高いことがわかりました。「ソジュ」ではなく「本格焼酎」として広めたいという意見も多かったように思います。この問題は、各メーカーがどのような戦略をたてるのかによって対応が分かれるところです。セミナーで感じたことを参考に、各メーカーでそれぞれの方向性を出してもらえればと考えています。焼酎楽園セミナーは今後も続けていきます。何年か後に、その成果が実を結ぶことを期待して。 #
by shochu-rakuen
| 2012-05-17 17:28
| イベントごと
『本格焼酎・泡盛ガイド2012-13年版』の編集が佳境に入っています。全国の製造場に出したデータチェックのためのアンケートが順調に返ってきています。これまでは、なかなか督促しても返ってこない製造場が多かったのですが、24日現在で250場以上から回答がありました。2000年の『いも焼酎・黒糖焼酎名鑑』以来の好回答率です。
従来は督促しなければ回答しない製造場でも、今回は締め切り前に回答が寄せられました。それだけ、『本格焼酎・泡盛ガイド』の力を認めていただいた側面もあります。しかし、それだけではなく、ブームの停滞傾向がようやく落ち着いた現在、製造場の姿勢が前向きになってきたことをうかがわせる現象ではないかと考えています。 1月は対前年比89.5%と振るわなかった課税移出数量が、2月には98.5%と回復していることからもわかります(日本酒造組合中央会調べ)。原料別に見ても、1月対前年比92.4%だった麦焼酎が102.5%と大幅に改善しています。いも焼酎も97.4%から108.1%と急増、米焼酎も92%→106.6%と好調です。100%を切ったのは、泡盛99.6%、そば焼酎95.2%。黒糖焼酎は95.2%とまだ回復といえないのが現状ですが、約6割を占める県外移出では対前年比106%と好調ですので、回復基調に入りつつあるといえます。 主産地の県別に見ると、対前年比100%を切ったのは長崎県の94%強のみで、他の県はすべて100%を超えています。なかでも、いも焼酎を中心に鹿児島県が109.4%と回復してきたことが大きな力になっていると思われます。1月は若干少なかった麦焼酎の主産地大分県の麦焼酎が103.4%、米焼酎の主産地熊本県の米焼酎が104%と好調に転じているのもよい兆しといえます。しかし、大分県と並ぶ麦焼酎の主産地長崎県の麦焼酎が95.8%とやや不調なのが気になります。 『ガイド』アンケートの回答状況や2月の課税移出数量から見えてくるのは、製造場が少しずつ自信を回復してきていることです。消費量も東北大地震から1年が経ち、少しずつ回復してきていることがうかがわれます。現在は、ようやく長いトンネルの出口が見えてきたということではないかと推測しています。これからが勝負の秋(とき)といえるのではないでしょうか。 #
by shochu-rakuen
| 2012-04-24 17:55
| 焼酎・泡盛の現状
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