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5月の本格焼酎・泡盛の課税移出数量(日本酒造組合中央会発表)を見ますと、全体では対前年比104.9%と、1月に続き100%を超えました。くわしく見て行きますと、違った側面が見えてきます。
ひとつは、この間やや不調であった35度の酒が、今年に入ってから3月を除き1~5月で対前年比100%を超えていることです。4月には対前年比146.5%と大幅な伸びを示しています。1~5月の度数別課税移出数量では、20度、25度が100%に達していないのに対して、35度のみが126.9%と好調です。原酒や初留あるいは樽貯蔵酒が復活しつつあるのかも知れません。今のところ、私にも原因がよくわかりません。ただし、本格焼酎・泡盛に占める割合は2%強しかないので、大きな影響をもたらすことはないと思われます。5月には、20度(構成比11%)も102.6%、中心の25度(86.9%)も105%と復活しつつあります。 もうひとつは、本格焼酎の中心であるいも焼酎(105.1%)、麦焼酎(107%)が回復傾向を示していることです。いも焼酎の場合、主産地の鹿児島県(102.4%)、宮崎県(109.2%)が好調なことを反映しているのでしょう。麦焼酎も主産地の大分県(108.1%)、長崎県(102.7%)、福岡県(115.6%)、鹿児島県(103.3%)が軒並み100%を超えています。本格焼酎のほぼ85%を占める両者の回復傾向がこのまま続けば、先行きは明るくなると思われます。 泡盛は対前年比101.4%ですが、残念ながら米焼酎は86.4%と復調とまではいかないようです。そば焼酎は98.1%ですが、酒かす焼酎は102.7%、黒糖焼酎を含むその他焼酎は114.6%と好調です。4月まで100%を切っていた本格焼酎・泡盛ですが、米焼酎、そば焼酎を除き、5月には100%超えに転じています。この傾向が6月以降も続けば、本格焼酎・泡盛の復調が確認できます。もう少し経緯を見ていきたいと思います。 この間、「本格焼酎が売りにくい」という声を酒販店から聞きました。その酒販店でも、「夏の焼酎」キャンペーンなどさまざまな試みを展開しているようですが、「飲食店での動きが今いち」とのことです。確かに夏向きの酒質の本格焼酎がさまざま発表されているのは事実です。ただ、私は「暑いから冷やしたものが売れる」という考えにはちょっと抵抗があります。冷やさないのなら熱い焼酎なのか」と言われそうですが、そうではありません。ちょっとぬるめのお湯割りのおすすめです。従来のお湯割りよりも10度前後低めのお湯割りにすると、いも焼酎でも麦焼酎でもやわらかな甘みを堪能できます。ただでさえ、冷たいものを飲む季節、やわらかなぬるめのお湯割りはおなかにもやさしい飲み物です。普通に入れたお湯割りを少し冷まして飲むのがよいのですが、ぬるめのお湯で割ってもよいと思います。飲み方の自由度こそ、本格焼酎の特徴。ぜひ一度お試しください。 #
by shochu-rakuen
| 2013-07-18 16:36
| 焼酎・泡盛の現状
霧島酒造の平成24年4月~25年3月の売上高が発表されました。それによると、前期に比べると0・5%増の512億円、販売数量41万5241石で過去最高だそうです。霧島酒造の勢いは落ちていないようです。本格焼酎・泡盛の平成23年4月~平成24年3月の課税移出数量全体は対前年比98・6%ですので、今年も本格焼酎・泡盛業界での売上高トップの位置を守りそうです。
話は変わりますが、今、清酒が復権しつつあるといわれています。確かに、酒販店のホームページでは清酒が大きく扱われていますし、飲食店でも清酒がよく出るという話を聞きます。清酒全体の平成24年4月~平成25年3月の課税移出数量は対前年比97・1%と、本格焼酎・泡盛よりも減少しているにもかかわらずです。ただ東日本大震災の影響もあり、東日本の清酒が注目された前年の反映もあり、いちがいに減少幅が多いとはいえないと思います。 清酒の回復の背景には、消費者の本格焼酎・泡盛からの回帰があるという見方もあります。酔い覚めのよさなど健康志向で本格焼酎・泡盛を飲んでいた中高年が、「やはり清酒はおいしい」と戻り始めたというのです。さらに清酒には、本格焼酎・泡盛にはない、しぼり立て、生酒、夏酒、ひやおろしなどの季節感があるので、飲食店でも売りやすいとの話もあります。 では、本格焼酎には季節感がないのでしょうか? 俳句の夏の季語として「焼酎」が取り上げられています。かつて、夏の暑い時期に暑気払いのひとつとして、氷り砂糖を入れた粕取り焼酎を飲む習慣がありました。現在では、夏用に造られた低濃度の焼酎も知られるようになってきました。また、秋から冬はお湯割り、真夏はロック、水割りあるいはクラッシュアイスで割るなど、本格焼酎の場合は季節を感じる飲み方もあります。さらに、原料によっても季節感が出ます。けっして本格焼酎・泡盛に季節感がないのではなく、季節感を楽しむ方法を消費者に十分に提案できていない結果といえないでしょうか。 「焼酎から清酒に消費者が戻ってきた」のは、一部では当たっていると思います。かつての大吟醸ブームやワインブームを見るまでもなく、消費者は移り気です。現状は「本格焼酎・泡盛→清酒」ではなく「和酒(本格焼酎・泡盛、清酒)→ワイン」なのではないでしょう。本格焼酎に対抗したかのように、一時、切れを求めた酸の多い清酒が次々と登場した時期がありました。もちろん、本格焼酎・泡盛にも「きれいな酒質」や「赤ワインのような切れ」を求める傾向もありました。「味わいの深みがあり、切れがよい」酒質を求めた清酒や本格焼酎・泡盛も登場しつつあります。まだまだ和酒は進化すると考えています。「清酒:本格焼酎・泡盛」という二項軸で考える志向はもう卒業すべきときに来ているのではないでしょうか? #
by shochu-rakuen
| 2013-06-03 16:19
| 焼酎・泡盛の現状
本格焼酎・泡盛の現状を課税移出数量から見てみるとどうでしょうか? 日本酒造組合中央会の発表によると、今年2、3月は対前年比90.4%(2月)、91.1%(3月)と、やや減少しています。世間ではアベノミクスで景気がよくなるように騒いでいますが、実体経済とくに個人消費にまでその影響が及んでいないことの表れではないでしょうか。
一部で清酒が好調といわれていますが、3月は対前年比88.8%で100%を超えている県は、栃木県、富山県、三重県、山口県、徳島県、福岡県、佐賀県、沖縄県の8県のみです(ただし、沖縄県の製造量は微々たるもの)。一方、本格焼酎・泡盛では、神奈川県、長野県、奈良県、滋賀県、秋田県、岡山県、徳島県などが100%を超えていますが、もともと製造量が少なく大勢に影響はないといえます。主産地では、佐賀県と宮崎県のみ。熊本県86.1%、大分県90.5%をはじめ、鹿児島県95.7%、長崎面97%、福岡県97.1%といずれも100%を割っています。 原料別では、いも焼酎(100.3%)のみが対前年比100%を超えていますが、麦焼酎(92.8%)、米焼酎88.1%)、泡盛(96.1%)、黒糖を含むその他(97.1%)、そば焼酎(94.2%)と他の原料は100%を切っています。なかでも、米焼酎は1月(88.4%)、2月(85.9%)、3月(88.1%)と、今年に入り90%に達していないのが気になります。 好調のいも焼酎も宮崎県は108.6%ですが、鹿児島県は93.7%とそれほど順調とはいえません。昨年の3月には1600キロリットル強あった鹿児島県と宮崎県の課税移出数量の差が、今年3月には320キロリットル強と縮小。鹿児島県の課税移出数量の減少の結果です。麦焼酎も主産地の大分県が90.7%とかなり減少しています。大分県に継ぐ製造量がある福岡県(98.1%)、鹿児島県(105.3%)、長崎県(96.2%)と比較しても減少幅が大きいことがわかります。ちなみに、宮崎県は87.8%。米焼酎についても、主産地の熊本県が対前年比66.7%と大きく落ち込んでいます。 このように昨年から回復傾向にあるといわれた本格焼酎・泡盛ですが、課税移出数量を見る限り、まだ底打ちしていないのが現状かもしれません。前述しましたように、その一因は主力県(鹿児島県、大分県、熊本県)の停滞にあるように思われます。いも焼酎で好調な宮崎県でも、主力のK酒造が今年の原料確保の水準を上げていないとの話も聞きますと、この傾向がさらに進む恐れがあります。 主産地の停滞は、代表的な大手メーカーの停滞なのか、あるいは中小を含めた全体の停滞の結果なのかはわかりません。しかし、全国市場で消費者からあきられたという側面は無視できません。その結果、都会でも価格競争が激しくなっています。各製造場でも夏ヴァージョンなどさまざまな提案が行なわれいますが、いまひとつ需要を掘りこせていないように思われます。 清酒やビールだけでなくワイン、ウイスキー、カクテル、サワーなど消費者の選択の幅が広まっている現在、選択肢として本格焼酎・泡盛を選んでもらうためには、価格の問題もありますが、むしろ他のアルコール飲料にはない魅力を訴求していかなければなりません。飲みやすさを追い求めた結果、その境界線が不明瞭になってきているのも、ひとつの原因ではないかと考えています。 自分達が造り、売っている商品とは何なのかを再認識する過程から、本格焼酎・泡盛の世界が見えてくるのかもしれません。麦焼酎のよさとはなにかをもう一度考え直してみようとする若い造り手たちの試みも始まっています。このような試みがすべての原料で行なわれることを期待しています。 #
by shochu-rakuen
| 2013-05-20 15:43
| 焼酎・泡盛の現状
日本酒造組合中央会から平成24年1~12月の課税移出数量が発表されました。それによると、焼酎全体の課税移出数量は対前年比98.4%となっています。酒造年度(7月~6月)では100.4%でした。昨年11(95.7%)、12月(92.5%)の減少がひびいたのではないでしょうか。とくに12月の落ち込みが大きかったといえます。平成22年1月以来の低調さです。ようやく酒造年度で対前年比100%を超え、回復のきざしが表れたのに、残念なことです。
度数別に見ますと、25度96.1%(12月)、35度90.3%(同)に対して、20度が102%(同)と健闘しているのが目に付きます。昨年の5月以降、20度は一度も100%を切ることがありませんでした。この現象は、20度文化県である大分県や宮崎県だけでなく、広く20度が受け入れられつつあるこのとの表れといえるかもしれません。単に価格が安いというだけでなく、20度という飲酒文化が広がりつつあるともいえます。蔵の前割りした焼酎が一定に広がっていることを考えると、前割り焼酎よりやや度数が高い20度も受け入れられる下地があったといえます。 20度焼酎が伸びている県(平成24年1月~12月)を見ると、福岡県(110.8%)、佐賀県(179.3%)、大分県(104%)。鹿児島県でも116.2%とかなり伸びています。いずれの県でも25度では大きな変化がありませんから、産地でも嗜好が変わってきているともいえます。また、北海道ではようやく本格焼酎・泡盛が認知されつつありますが、25度103.6%に対して、20度165.7%と大幅に伸びてきています。北海道はもともと甲類焼酎王国といわれるところですので、その影響かもしれません。 基準酒ともいうべき25度では、北海道だけでなく大阪、奈良、和歌山の関西地区や岡山、高知、主産地の九州では福岡、佐賀、鹿児島で100%を越えています。それに対して、関東地方、京都、兵庫、滋賀では減少。とくに京都は77.1%の減少で目立ちます。清酒の活性化もあり、清酒メーカーが焼酎より清酒製造に力を入れた結果かもしれません。 原料別では、いも焼酎が対前年比100.8%(12月)と健闘しているのに対して、麦焼酎は93.5%、米焼酎は92%と大幅に減少しています。なかでも、麦焼酎の減少が本格焼酎・泡盛全体の数字を押し下げているようです。ちなみに、泡盛は96.3%、その他は94.1%、そばは92.4%となっています。 この数字を見るだけでは今年の動向は読めませんが、本格焼酎・泡盛にとって、今年が分岐点になることは間違いないようにおもいます。 #
by shochu-rakuen
| 2013-03-15 18:08
| 焼酎・泡盛の現状
国税庁から「平成23年度の酒類消費数量」(平成23年4月~24年3月)が発表されました(沖縄県を除く)。それによると、本格焼酎は48万4332キロリットル(対前年比100・9%)で、清酒60万1338キロリットル(対前年比102・1%)の約80・5%でした。甲類焼酎は43万3200キロリットル(対前年比97・7%)で、本格焼酎の89・4%にあたります。伸びのいちばん多いのは、ワインで対前年比110・4%。
全国状況を見ますと、北海道、東北、関東甲信越では甲類焼酎が本格焼酎を上回っています。例外は福島県で本格焼酎が甲類焼酎を152キロリットル上回っています。しかし、栃木県、長野県、東京都を除く各県では対前年比100%を越えていますので、ようやく定着し始めたといえます。残念ながら、甲類王国といわれる北海道では、本格焼酎は甲類焼酎の15・5%しか普及していません。青森県も32・4%と普及度が低いのが現状です。ちなみに、北海道では清酒と本格焼酎を合わせた消費量より甲類焼酎の消費量のほうが1万キロリットルほど多く、「甲類焼酎王国」といわれるわけがわかります。青森県でも清酒と本格焼酎を合わせた消費量と甲類焼酎消費量があまり変わりません。この2県の特徴といえます。 清酒文化圏といわれる東北ではいまだ十分には定着していませんが、同じ清酒文化圏である北陸、中国地方では甲類焼酎を上回り、浸透が進んでいます。なかでも中国地方5県では、消費数量が甲類焼酎だけでなく清酒をも上回っているのが注目されます。もちろん、九州各県では、甲類焼酎および清酒を圧倒的に凌駕しています。 成人1人あたりの消費量では、ビールがトップで26・17リットル、次いでリキュール18・2リットル、発泡酒8・15リットル、その他醸造酒7・7リットルとなっています。これには第3のビールが含まれていますので、ビールおよびビール風味の酒類が多く占めている現状の反映といえます。清酒は5・85リットル、本格焼酎4・71リットル、甲類焼酎4・21リットルと続いています。ワインは2・82リットル、ウイスキーは0・94リットル。本格焼酎は清酒と比べるとアルコール度数が高いので、度数換算すると、本格焼酎の消費量のほうが高くなります。 都道府県別では、酒類消費量がいちばん多いのが東京(115・2リットル)、次いで大阪(99・68リットル)となっています。これは大都市圏で繁華街が多く外飲み比率が高いためと思われます。少ないのは栃木県(64・1リットル)、奈良県(64・29リットル)で、全国平均は82・7リットルです。この数字を見ても、東京市場での消費回復が大事といえます。東京では甲類焼酎6万8939キロリットルに対して、本格焼酎4万4987キロリットルと、まだ2万キロリットル以上の差がついています。甲類焼酎と同じくらいまで普及させることが目標になるのではないでしょうか? #
by shochu-rakuen
| 2013-02-07 13:57
| 焼酎・泡盛の現状
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