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米トレーサビリティ法の施行が近づいたためか、酒類業界ではさまざまな動きが出てきました。表示義務があるのは、「来年2011年7月1日以降に仕入れた米」からです。今年仕込んだ本格焼酎・泡盛あるいは清酒は表示しなくてもよいことになっています。7月1日以前に仕入れた米で仕込み、7月1日以降に出荷する場合も、表示する必要はありません。
しかし、スーパーなどの大手小売業者の要請もあり、義務表示(2011年7月1日)の前から、前倒しして産地表示を始めるところが出てきています。本格焼酎・泡盛の業界でも、米焼酎メーカーでは国産米に切り替えるところが多いといわれています。泡盛では「米(タイ産)」と表示することになりそうです。このほかにも、米麹を使う産地では、国産米の比重を高める傾向にあります。 鹿児島県のいも焼酎メーカーでも、国産米に切り替えるところが多いように聞いています。いも焼酎の主な原材料はさつまいもなのに、なぜ麹原料である米について産地表示をしなければならないのか、ちょっと疑問です。「事故米事件」のときにいも焼酎が大きく取り上げられたためだろうと思われます。事件が起きるまで、多くの消費者が麹原料に米が使われていることを知らなかったことが明らかになりました。「いも焼酎なのだから麹もさつまいもを使っている」と思っていた消費者が多かったことには驚きました。ブームといわれながらも、消費者への基本的な情報伝達を怠っていたことが明らかになったわけです。 これまで何度も書いてきましたが、「国産=安全、外国産=安全でない」という図式はまちがいです。タイ米を使った泡盛だからこそ、あの香りと味わいが生まれてくると、私は考えています。国産の「加工米」やくず米がタイ米より上質とは一概にいえません。流通過程がきちんとしていなければ、国産米であれ外国産米であれ、「事故米」が出てくる可能性は常にあります。 表示義務は表示内容のエスカレートを生みます。すでに清酒業界では、産地の都道府県名や市町村名まで表示する動きが出てきています。「加工米」の場合は、都道府県名が特定できないため「国産米」と表示するようです。産地の細かいところまで表示するものと、ただ「国産米」と表示するものとでは、消費者の反応が異なってくることが想定されます。ましてや、来年6月までに仕入れた場合は表示しなくてもよいので無表示のものが、そこに加わってくると消費者の混乱はさらに進むことになります。 本格焼酎・泡盛の原材料は米だけではありません。麦もそばも黒糖もあります。米のトレーサビリティが定着すれば、さらに他の原材料にもトレーサビリティが求められるようになるのはまちがいありません。私は、今必要なのは、「なぜ麹造りに米を使うのか」を消費者にしっかり理解してもらうことであり、流通過程を適正なものにすることだと考えています。国産米を使う場合は「なぜ国産米のほうがよいのか」、外国産米を使う場合は「なぜ外国産米を使うのか」をきちんと説明し、消費者に理解してもらうことではないでしょうか。この過程を抜きにしては、消費者の信頼を得ることはできないでしょう。
by shochu-rakuen
| 2010-09-22 15:04
| 焼酎・泡盛の現状
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