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本格焼酎・泡盛の現状を課税移出数量から見てみるとどうでしょうか? 日本酒造組合中央会の発表によると、今年2、3月は対前年比90.4%(2月)、91.1%(3月)と、やや減少しています。世間ではアベノミクスで景気がよくなるように騒いでいますが、実体経済とくに個人消費にまでその影響が及んでいないことの表れではないでしょうか。
一部で清酒が好調といわれていますが、3月は対前年比88.8%で100%を超えている県は、栃木県、富山県、三重県、山口県、徳島県、福岡県、佐賀県、沖縄県の8県のみです(ただし、沖縄県の製造量は微々たるもの)。一方、本格焼酎・泡盛では、神奈川県、長野県、奈良県、滋賀県、秋田県、岡山県、徳島県などが100%を超えていますが、もともと製造量が少なく大勢に影響はないといえます。主産地では、佐賀県と宮崎県のみ。熊本県86.1%、大分県90.5%をはじめ、鹿児島県95.7%、長崎面97%、福岡県97.1%といずれも100%を割っています。 原料別では、いも焼酎(100.3%)のみが対前年比100%を超えていますが、麦焼酎(92.8%)、米焼酎88.1%)、泡盛(96.1%)、黒糖を含むその他(97.1%)、そば焼酎(94.2%)と他の原料は100%を切っています。なかでも、米焼酎は1月(88.4%)、2月(85.9%)、3月(88.1%)と、今年に入り90%に達していないのが気になります。 好調のいも焼酎も宮崎県は108.6%ですが、鹿児島県は93.7%とそれほど順調とはいえません。昨年の3月には1600キロリットル強あった鹿児島県と宮崎県の課税移出数量の差が、今年3月には320キロリットル強と縮小。鹿児島県の課税移出数量の減少の結果です。麦焼酎も主産地の大分県が90.7%とかなり減少しています。大分県に継ぐ製造量がある福岡県(98.1%)、鹿児島県(105.3%)、長崎県(96.2%)と比較しても減少幅が大きいことがわかります。ちなみに、宮崎県は87.8%。米焼酎についても、主産地の熊本県が対前年比66.7%と大きく落ち込んでいます。 このように昨年から回復傾向にあるといわれた本格焼酎・泡盛ですが、課税移出数量を見る限り、まだ底打ちしていないのが現状かもしれません。前述しましたように、その一因は主力県(鹿児島県、大分県、熊本県)の停滞にあるように思われます。いも焼酎で好調な宮崎県でも、主力のK酒造が今年の原料確保の水準を上げていないとの話も聞きますと、この傾向がさらに進む恐れがあります。 主産地の停滞は、代表的な大手メーカーの停滞なのか、あるいは中小を含めた全体の停滞の結果なのかはわかりません。しかし、全国市場で消費者からあきられたという側面は無視できません。その結果、都会でも価格競争が激しくなっています。各製造場でも夏ヴァージョンなどさまざまな提案が行なわれいますが、いまひとつ需要を掘りこせていないように思われます。 清酒やビールだけでなくワイン、ウイスキー、カクテル、サワーなど消費者の選択の幅が広まっている現在、選択肢として本格焼酎・泡盛を選んでもらうためには、価格の問題もありますが、むしろ他のアルコール飲料にはない魅力を訴求していかなければなりません。飲みやすさを追い求めた結果、その境界線が不明瞭になってきているのも、ひとつの原因ではないかと考えています。 自分達が造り、売っている商品とは何なのかを再認識する過程から、本格焼酎・泡盛の世界が見えてくるのかもしれません。麦焼酎のよさとはなにかをもう一度考え直してみようとする若い造り手たちの試みも始まっています。このような試みがすべての原料で行なわれることを期待しています。
by shochu-rakuen
| 2013-05-20 15:43
| 焼酎・泡盛の現状
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