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約1年ぶりに壱岐の島へ行ってきました。目的は壱岐焼酎協業組合と天の川酒造、重家酒造の3蔵が主催した「若き造り手と壱岐焼酎の未来を考える会」に参加するためでした。参加者は各地の酒販店と飲食店の人。メインは3蔵の代表と壱岐の酒販店主、飲食店主によるパネルデイスカッションでした。それぞれの立場から壱岐と壱岐焼酎の魅力が語られました。
米麹を使うためやわらかなふくらみのある壱岐焼酎は、麦麹で造る麦焼酎に比べると、どうしても酒単体で飲むときにインパクトが弱い傾向があります。逆にいえば、食中酒として食べ物との相性が非常によいのが特徴といえます。ロックで飲まれるシーンが多い現在、壱岐焼酎のよさを伝えるむずかしさがあることはまちがいありません。このむずかしい課題に壱岐の若い造り手たちは果敢に挑戦しています。 飲食店のパネラーも言っていましたが、壱岐は魚介類や豆腐、壱岐牛、野菜など新鮮でおいしい食材がたくさんあります。しかも、その食材は全国的な普遍性をもったものばかりです。パネルデイスカッションの後に、壱岐の食材が揃い、実際に味わって商談ができる「壱岐の島の食の提案会」が開催されました。なかなか時宜にあった設定で、参加した飲食店の人にも好評でした。会場を移して開催された懇親会もたいへん盛り上がりました。翌日は3蔵の見学と観光。参加者は満足して帰られたのではないでしょうか。 私は生うに丼とうに丼を食べ、壱岐牛もたいへんおいしく満足。もちろん新鮮な刺身も。壱岐はほんとうにおいしい食材に満ちています。豊富な食材が食中酒を発達させたことを実感できました。壱岐焼酎が全国で飲まれるようになったときこそ、食中酒としての本格焼酎が定着したときといえるのかもしれません。 ▲
by shochu-rakuen
| 2010-09-28 17:51
| イベントごと
米トレーサビリティ法の施行が近づいたためか、酒類業界ではさまざまな動きが出てきました。表示義務があるのは、「来年2011年7月1日以降に仕入れた米」からです。今年仕込んだ本格焼酎・泡盛あるいは清酒は表示しなくてもよいことになっています。7月1日以前に仕入れた米で仕込み、7月1日以降に出荷する場合も、表示する必要はありません。
しかし、スーパーなどの大手小売業者の要請もあり、義務表示(2011年7月1日)の前から、前倒しして産地表示を始めるところが出てきています。本格焼酎・泡盛の業界でも、米焼酎メーカーでは国産米に切り替えるところが多いといわれています。泡盛では「米(タイ産)」と表示することになりそうです。このほかにも、米麹を使う産地では、国産米の比重を高める傾向にあります。 鹿児島県のいも焼酎メーカーでも、国産米に切り替えるところが多いように聞いています。いも焼酎の主な原材料はさつまいもなのに、なぜ麹原料である米について産地表示をしなければならないのか、ちょっと疑問です。「事故米事件」のときにいも焼酎が大きく取り上げられたためだろうと思われます。事件が起きるまで、多くの消費者が麹原料に米が使われていることを知らなかったことが明らかになりました。「いも焼酎なのだから麹もさつまいもを使っている」と思っていた消費者が多かったことには驚きました。ブームといわれながらも、消費者への基本的な情報伝達を怠っていたことが明らかになったわけです。 これまで何度も書いてきましたが、「国産=安全、外国産=安全でない」という図式はまちがいです。タイ米を使った泡盛だからこそ、あの香りと味わいが生まれてくると、私は考えています。国産の「加工米」やくず米がタイ米より上質とは一概にいえません。流通過程がきちんとしていなければ、国産米であれ外国産米であれ、「事故米」が出てくる可能性は常にあります。 表示義務は表示内容のエスカレートを生みます。すでに清酒業界では、産地の都道府県名や市町村名まで表示する動きが出てきています。「加工米」の場合は、都道府県名が特定できないため「国産米」と表示するようです。産地の細かいところまで表示するものと、ただ「国産米」と表示するものとでは、消費者の反応が異なってくることが想定されます。ましてや、来年6月までに仕入れた場合は表示しなくてもよいので無表示のものが、そこに加わってくると消費者の混乱はさらに進むことになります。 本格焼酎・泡盛の原材料は米だけではありません。麦もそばも黒糖もあります。米のトレーサビリティが定着すれば、さらに他の原材料にもトレーサビリティが求められるようになるのはまちがいありません。私は、今必要なのは、「なぜ麹造りに米を使うのか」を消費者にしっかり理解してもらうことであり、流通過程を適正なものにすることだと考えています。国産米を使う場合は「なぜ国産米のほうがよいのか」、外国産米を使う場合は「なぜ外国産米を使うのか」をきちんと説明し、消費者に理解してもらうことではないでしょうか。この過程を抜きにしては、消費者の信頼を得ることはできないでしょう。 ▲
by shochu-rakuen
| 2010-09-22 15:04
| 焼酎・泡盛の現状
9月11日に行なわれた「島グルメと島酒をたっぷり飲める会」(伊豆七島酒造組合主催)に行ってきました。伊豆諸島にある11蔵(1蔵は小笠原のラム)の酒と伊豆七島の料理を楽しむ企画でした。定員70名でしたが、満員の盛況でした。11蔵のうち3蔵が欠席されましたが8蔵が参加して、各蔵の本格焼酎の試飲ができるテーブルも設けられ、好評でした。
東京でも本格焼酎が造られているということをまだ知らない人が多いようですが、女性の参加者も多く、少しは知られるようになったなと感じました。東京の島酒は、現在では麦焼酎(麦、麦麹)中心ですが、かつてはいも焼酎が主流でした。南九州とは異なり、麦麹で仕込んだものです。数は少なくなりましたが、現在でも伊豆大島の谷口酒造、新島の宮原、八丈島の八丈興発、磯崎酒造や八丈島酒造などでいも焼酎が造られています。もうひとつの特徴は、いも焼酎と麦焼酎をブレンドした焼酎があることです(八丈島のみ)。 ![]() 10蔵も焼酎蔵ありますので、島ごと、造り手ごとに味わいが異なり、飲み比べてみると自分の好みに合う焼酎が必ずあると思います。私もテーブルにある焼酎以外に、試飲テーブルに出かけいくつか試飲してみました。私が最初に訪れた13年前に比べて、格段と酒質がよくなっているのに驚きました。13年前はほとんど島内で飲まれる酒でしたが、この10年余のうちに島だけでなく島外でも飲まれるようになったのもうなずけました。 「青酎」で知られる青ヶ島で新たに商品化しようとしている麦焼酎も出品されていました。6年貯蔵した麦焼酎は35度という高濃度にもかかわらず、丸みのあるやわらかさがあります。その一方、麦の香ばしさと自己主張のある麦焼酎にも出会いました。「御神火」や「麦冠 情け嶋」「島の華」などです。このほかにも、米の全麹仕込み「波の上の月」や伊豆諸島では唯一の米麹を使った「雄山一」、いも・麦ブレンドの「八重椿」など個性あふれる焼酎があります。ぜひ一度、飲んでみてほしいと思います。 ▲
by shochu-rakuen
| 2010-09-13 17:31
| イベントごと
以前の「編集長日記」で米のトレーサビリティについて書きましたが、まだよくわからないことがありました。
何かといえば、古酒(貯蔵酒)をブレンドした場合はどう表記するかということでした。100%新酒の場合を除き、本格焼酎では新酒に古酒をブレンドして味わいを調整しています。古酒あるいは前年醸造の貯蔵酒をブレンドした場合、その古酒に使われている米がタイ米であった場合、どう表記するのかがよくわからなかったのです。 その後、いろいろ調べた結果、古酒をブレンドした場合は表記しなくてもよいらしいということがわかりました。前に書いたとおりだとすれば、たとえばいも焼酎の場合は「原材料名/さつまいも、米(国産米、タイ米)」と表記するのが正しいのではないかと思いますが、表記してもしなくてもよいというのはよくわかりません。 米トレーサビリティ法と関係なく以前から国産米を使っていた製造場は問題がありませんが(つまり、古酒や貯蔵酒も国産米を使用している)、最近、国産米に切り替えた製造場では、古酒造りに使った米の履歴をどこまで明らかにすることができるか、が問われてきます。古酒になればなるほど、その履歴を明確にすることはむずかしくなります。そのあたりに配慮した結果、表記しなくてもよいということになったのかもしれません。 本格焼酎にとって、ブレンドは大変重要な要素です。ブレンド技術が焼酎のおいしさを可能にさせているといってもよいほどです。古酒をほんの1%ブレンドすることによって、味わいが大きく変わることもあります。このブレンドという要素を考慮しないで法がつくられたのかもしれませんが、米についての産地情報を表記した焼酎としない焼酎が流通すると、消費者に混乱をもたらす可能性もあります。 情報を性格に消費者に公開することは大賛成ですが、米のトレーサビリティが完全に定着するには、まだまだ時間がかかるような気がしています。しかし、産地情報の表記が将来、さらに米の「品種名」の公開にまですすめばすばらしいことだと思います。 ▲
by shochu-rakuen
| 2010-09-09 16:45
| 焼酎・泡盛の現状
「酒販ニュース」(9月1日号)を見ていたら、「猛暑なのに…この10年で2番目に少ない数量」という記事が載っていました。なにが少ないかというと、夏場のビール系酒類出荷量です。猛暑だからビール系酒類は増えていると思っていたので、意外な数字でした。ハイボールの好調やノンアルコール飲料の登場などの影響があると思われますが、酒類の多様化が進んでいることを実感しました。
本格焼酎・泡盛業界でも、炭酸割りの提案が数多く出されています。清酒でも発泡性のもがあり、どうも日本人は発泡性の飲み物が好きなようです。私の子どものころはサイダー、そして若いころはコーラが発泡性飲み物の代表でした。学生時代には、ウイスキー(サントリーの白や角、ニッカのハイニッカ)の炭酸割り(ハイボール)やコーラ割り(コクーハイ)が飲まれていました。炭酸水やコーラに含まれる甘みと発泡性のさわやかさが人気の原因だったように思います。別の言い方をすれば、生のまま飲むとまずいので割ったとも言えます。社会人になってオールドパーを飲んだときに、ウイスキーはこんなにうまいものかと感激したことを覚えています。 昭和50年代の「白もの革命」といわれた甲類焼酎も、炭酸水やお茶、ジュースなどで割って割るものによる味わいの変化を楽しめることが普及の要因となったように思われます。どうもこのあたりから、酒そのもののもつ味わいよりも、添加する素材の味わいに惹かれるようになったのかもしれません。「酒類のジュース化」の始まりです。 「酒類のジュース化」は、日本の食文化の伝統である「食中酒」の存在を希薄化していきます。その影響をもっとも受けたのが清酒です。一時期「ライスワイン」ともいわれた吟醸酒ブームは、一見清酒の需要層を広げたかに見えます。しかし、冷やして飲む飲み方は、食中酒としてよりも酒単体で味わう傾向を拡大させました。その結果、酒と食の分離が進行していきます。 本格焼酎についても、産地では食中酒として割って飲まれています。しかし、東京や大阪など都市圏ではウイスキーのように酒単体で飲まれることによって広まった側面があります。お湯割りや水割りではなくロックです。冷やすことにより味わいの複雑さは凝縮され、単純化していきます。一方、温めることによって、味わいの要素は花開きます。その結果、食との相性が生まれてきます。高温多湿な風土が冷たい飲み物を欲するのかもしれませんが、産地にはお湯割りの伝統があることを考えると一概にはいえません。 日本各地にはその土地特有の食文化があります。産地の酒、食文化を強制することはできません。蒸留酒だから酒単体で飲むのもよいですが、お湯や水で割ることによってアルコール濃度を低くし、各地の料理とともに食中酒として楽しむことにも挑戦してもらいたいと考えています。ブームは終わりましたが、むしろこれからが食中酒としての存在をアピールする絶好の機会なのではないでしょうか。 ▲
by shochu-rakuen
| 2010-09-03 12:34
| 焼酎・泡盛の現状
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